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わたし、お金のためならなんでもします。

第1章 プロローグ



なにも知らなかったあのころならきっと、ニコリと笑って、「オジサンありがとう!」と、いうのと同時に素早く諭吉さんをサイフの奥にしまいこんでいただろう。



けれど「24年間」人生経験もそれなりに積んで世の中の裏も表もあるていど知ってしまったいまのわたしは、能天気だったあのころの自分とは違う。



たしかにお金はノドから手がでるほど欲しい。



だけど、おいしい話にはかならず裏がある。



たいていこんなふうに大金をちらつかせてくるときは、とんでもない変態的な要求をしてくるって相場は決まってる。



たとえば「お尻でやらせろ」とか「うNこ食わせろ」とか「腕を入れさせろ」っていうんだろーどーせ。



あははははっ、このド変態野郎め!残念だけどお姉さんはそこまで落ちぶれてねーよ!



ってノドチNコまで、でかかったんだけど、こんなヤツでもお客さんであることに変わりはない。



とうぜんわたしはいつもの営業スマイルでニッコリ微笑みながら、マニュアルどうりお客さんをキズつけないように優しくいってあげる。



「お気持ちはうれしいんですけど、本番行為(SEX)は禁止されてますので」



きゃはは、どーだまいったか。わかったらさっさとお風呂でチンチンキレイに洗ってこいや。



「本番?じょうだんだろ?おまえなんかとSEXして性病になったらどうすんだよ」



「は!?」



「おれがおまえを指名したのはそんなことしてもらうためじゃねーから…」


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