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笑い、滴り、装い、眠る。

第7章 雨の日は家にいて



荷物を片付け、用意されていたお茶と和菓子に舌鼓を打つ。



翔「ね…例のあれ…」



翔くんがドングリみたいな目で僕を見た。



「ふふっ。そんな慌てなくても。温泉に入って、美味しいもの食べてからでも…」


翔「じゃあ、さ、俺が大野さんを食う前?後?」


「し、翔くん!//////」


赤面している僕の体を引き寄せ耳元で翔くんが囁く。



翔「なんなら最中でもいいけど?」


「……ばか。」



で、結局…



行為の後、布団の中から這い出し、鞄と一緒にしまってあった紙袋を手に再び布団の中に潜り込む。



「手、出して?翔くん。」


翔「あ、はい。」



どっちの手を出そうか迷っている翔くんの左手を掴み、サイズの大きい方の指輪を薬指に填めた。



指輪の裏には、僕と翔くんの名前が。



翔「お、ピッタリ!」



嬉しそうに指輪を眺める翔くんに、僕の指輪を手渡す。



「つけてよ翔くん。僕にも。」


翔「…うん。」



恐る恐る僕の手を掴み、指輪を持った翔くんの手はナゼか震えてて、



なかなかうまく填められない。



翔「ごめん。ちょっと待ってて?」



そして、ようやく僕の指に収まったシルバーリング。



「実はもう一つ。」



それを翔くんの手に握らせた。



そして、翔くんは手のひらを広げ、それを見て顔を硬化させた。



「それもお揃いだから。」



そう。それの正体は、



あの、ストラップだ。



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