
笑い、滴り、装い、眠る。
第7章 雨の日は家にいて
結局、
車に運んだ荷物の中にあった上掛け毛布を下ろしてきて、工房で一泊することにした。
「ごめんね?僕がもう少し早く気づけばよかったのに?」
翔「構わないよ?こうしてくっついて寝られるし?」
「それもそうだね?」
灯りを消した工房で二人、頬杖をつきながら窓の外に煌めく星空を眺めた。
翔「星、綺麗だね?」
「ホントだね?こんな綺麗だなんて知らなかった。」
翔「えっ?マジで?」
「だって…ここは仕事するところだから。そんな風に考えたことなかった。」
翔「名残惜しくない?」
「ううん。全然?」
「…そっか。」
笑った僕の体を、翔くんの手がそっと引き寄せた。
「…寝よっか?」
翔「…うん。」
そのまま一つの毛布にくるまり、抱き合うように眠った。
「あ…雨降ってる。」
翔「えっ?」
朝、何気に放った僕の大きな独り言に翔くんが飛び起きる。
「道理で肌寒いと思ったら。」
翔くんの腕が、身震いする僕を抱きしめるように伸ばされる。
翔「こうしたら温かいだろ?」
「でも、そろそろ引っ越し…」
翔「いーじゃない?もう一日ぐらい?ここにいたって?」
