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笑い、滴り、装い、眠る。

第7章 雨の日は家にいて



翔「気持ちはわかるけど、あまり根を詰めすぎるのもよくないよ?」


「…ごめん。」


翔「これからずっと一緒にいるんだからさ?」


「うん……。」



後ろから抱きしめられた翔くんの体温に、匂いに、



思わず泣きそうになった。



翔「ね、夜、どうする?外で食う?」


「ふふっ。翔くんてば、食べることばっかり。」


翔「しょうがないでしょ?若いんだから?」


「あ、何それ?僕が若くないみたいじゃない?」


翔「そう聞こえた?ごめんごめん。」



笑いながらぎゅうぎゅうと抱きしめてくる。



「ちょっと翔くん、苦しい、ってば。」


翔「だって、捕まえとかないとまた、仕事始めちゃうでしょ?」


「だって…早く終わらせて早くゆっくりしたいじゃない?」


翔「そう?俺は別に少しぐらい片付いてなくてもゆっくりやればいいかな?って思うけど?」



後ろから翔くんの顔が出てきて、僕の食べかけのおにぎりをかじった。



翔「うまっ!!このオムライスむすび。」


「だめ。あげない。僕のだから。」


翔「ふーん、ま、いいや。」



翔くんが僕の顔を自分の方に向け、ちゅ、と音を立ててキスしてきた。



「し、翔くん!」


翔「夜、大野さんごとさっきのオムライス、食べてやるから。」



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