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笑い、滴り、装い、眠る。

第7章 雨の日は家にいて



「ばっ…ばか!!もぉっ!!」



藻掻けば藻掻くほど、抱きしめる力が強くなって、僕は抵抗することを止めた。



翔「あれ?諦めるの早くね?」


「だって…僕より翔くんの方が力あるから絶対抜けられないし。それに今、ヘタに暴れるとムダに体力消耗しちゃうから。」


翔「え、それ…って…そういう…」


「あ…違っ…!そ、そういう意味じゃなくてっ!!」


翔「そっかあ…それなら夜が楽しみだなぁ…♪」


「だからっ…違う…んっ!!」



テンションが上がった翔くんがまた、僕の顔を上向けキスしてきた。



翔「…別に、今日じゃなくても、明日も、明後日も夜は来るんだし?」



触れるだけだったけど、



翔くんは、重ねた唇の感触を確かめるみたいに僕の唇を指先でなぞった。



翔「あの…そんな顔すんのやめてくんない?」


「え…?あ…っ」



息がかかるくらいの距離で囁かれて、



大きくてうるうるした黒い目に見つめられて僕は…


「あっ!ベッドにシーツとかまだ…」


翔「…だから、明日でもいいじゃない?」



腕の中から抜け出そうとする僕の体を、翔くんは床の上に押さえつけた。



翔「ね?」


「…うん。」



…て、言っちゃってた。


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