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笑い、滴り、装い、眠る。

第2章 あっとほーむ・だっど?



いつの間にかうとうとしていた俺は、



玄関のドアの閉まる音で目が覚めた。



智「翔ちゃん、まだ起きてたの?」



少し寝惚けていた俺は、そのまま智の方へと歩み寄り、



智の体を抱きしめた。



智「し、翔ちゃん?」


「…お帰り。」


智「た、ただいま…」



はー、もーダメだ。限界だ。



そのまま智の顎を持ち上げ智の唇にキスをした。



「いい?」


智「えっ?」



この時の俺は、



五人揃っての仕事の時以外、スレ違いの多い毎日に疲れ果てていて、



智の体を気遣う余裕がないぐらいに智が欲しくてたまらなかった。



智の返事を聞かないまま、



智の体を床に組み敷いた。






翌朝、目が覚めると、



床に真っ裸で横たわっていた俺にシーツが掛けられていて、



水を飲もうとキッチンへ行くと、テーブルに智からの書き置きが残されていた。



そこには、俺が疲れているみたいだから、今日は急遽、智の母親にあかりを預けるから、と。



…最悪だ。



智だって仕事で疲れてるのに、無理矢理コトに及んだあげく、気を使わせてしまった。



俺は、ガックリと肩を落とし、その場に座り込んだまま、しばらく動くことができなかった。



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