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笑い、滴り、装い、眠る。

第2章 あっとほーむ・だっど?



「ただいま…」



昨日の今日で非常に帰りづらかったけど、



久しぶりに、玄関にキチンと置かれてあった智の靴を見てホッとした。



毎日ハードな撮影をこなし、



ビデオで撮って持ち帰ったアクションのフリを夜な夜な練習していた智。



今日も部屋にこもっていた。



俺は智の邪魔にならないように部屋の前を通りすぎ、



リビングの灯りをつけ、コンビニで買ってきた弁当を広げた。




しばらくすると、智の部屋から音が聞こえなくなっていて、



いつの間にか智が俺の後ろに立っていた。



智「お帰り。」


「たっ…ただいま。」



フワッと柔らかい笑みを浮かべると、



智は俺の背中にしがみついてきた。



智「…疲れた。」


「弁当、智の分もあるよ?」


智「ホント?ありがと。」



智は嬉しそうに弁当を広げ食べ始めた。



「その…昨日はゴメン。」


智「何が?」


「いや…その…無理矢理……」



智は、口に頬張ったミートボールを喉奥に押し込むと、



俺の顔を見てニッコリ笑った。



智「ううん。へーき。それより翔ちゃんのほうが、慣れない『アサリ』の世話(←養殖?(笑))で疲れてないか心配だったし。」


「……」





くどいようだけど、『あかり』だよ?智。



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