笑い、滴り、装い、眠る。
第8章 花梨―唯一の恋―
数年後。
「おい、こら翔。起きろ!!」
翔「うーん、あと五分……。」
「五分も寝てたら完全遅刻だ。とっとと起きろ!!」
シーツを捲り上げると、寝癖マックスな翔が寝ぼけ眼をごしごし擦ってた。
翔「分かった、起きるよ。でも……」
「おわっ!!な…お前…!」
翔「おはようのキスして?」
翔がいきなり抱きついてきた
翔「あっ!!俺が買ってあげたエプロン。」
「こっ、これは……だな。俺が今まで使ってたヤツを洗濯してて……で、仕方なく…。」
翔「可愛い!!似合ってる!!」
で、また、ぎゅうぎゅうと抱き潰される、俺。
てか、お前、ピンクのフリフリ、って何だよ?
しかも…
翔「兄貴に選んでもらって正解。」
……准一の趣味か。(←笑)
翔「新居に引っ越すんなら必需品だ、って言うから。」
お前、真面目すぎ。
アイツの変態な趣味に合わせる必要なんか……って……
いつの間にかベッドに押し倒され、翔が俺を見下ろしていた。
翔「そんなカッコで起こしに来る大野さんが悪い。」
やべ…スイッチ入ってる目だ。
が…
翔「ぶっ!!」
咄嗟にでっかい枕を翔の顔面目掛けて投げつけた。
「お前、今晩オアズケな?」
翔「えー?」
ぶつくさ言う翔を急かし、どうにか二人一緒に家を出ることが出来た。