
笑い、滴り、装い、眠る。
第9章 ずっとあなたが好きだった。
一通りの花火を満喫し、俺と智くん、雅紀と和と潤らで別れて線香花火をしていた。
智「線香花火、って落ち着くよね?」
「そうだね…」
チラッと見た横顔。
正面から見たら少し分かりにくいけど、鼻筋がスッとしていてまつ毛が長くて……
智「ねぇ…聞いてる?」
「えっ?」
智「……やっぱ、心ここに有らずだ。」
「……ごめん。」
横顔に見惚れてました、なんて言えない。
智「お腹空いてないか聞いてたんだけど?」
雅「はいはいはーい♪」
さっきまで静かに花火に見入っていた雅紀が元気よく手を上げた。
和「お前に聞いてないみたいだけど?」
雅「お前、俺のこと『お前』呼ばわりするなよ?一応、お前より年上なんだし?」
和「あら?そうでしたっけ?」
雅「そうでしたっけ?じゃない!!」
母「あらあら。賑やかだこと。」
智くんのお母さんとお姉さんが、俺らに切ったスイカを持ってきてくれた。
智「ああ。うんめぇなあ。」
和「ちょっと、スイカ食べてジジイみたいになっちゃってるじゃない?」
智くんのオッサンみたいな感想に和がちゃちゃをいれた。
