
笑い、滴り、装い、眠る。
第9章 ずっとあなたが好きだった。
「も、もう!分かったよ!分かったから離れて!」
でも、不覚にも期待しちゃってる俺がいた。
そうこうしているうち、わらわらとみんなが集まってきて昔話に花が咲く。
智「何で翔くんのことが好きだ、って分かったの?」
和「だってスゴく分かりやすい反応するんだもん。」
雅「えー?俺、全然気づかなかった。」
潤「え?俺も分かったけど?」
智「マジか…」
和「気付いてなかったのは翔ちゃんと相ばかさんだけ。」
雅「何度言えば分かるんだよ?ばか、って言うなよ?ばか、って?」
和「しょうがないでしょ?バカなものはバカなんだし?」
潤「やめな、って、人んちで?」
取っ組み合いを始めた和と雅紀を半笑いで潤が止めにはいる。
智「そうだよ?俺と翔くんの愛の巣で何やってんだよ?」
「さ…智くん?」
さ、さすがにその言い回しは恥ずかしい…。
……否定はしないけど。
「あ、ほら静かにして!!もうすぐ始まるよ?」
そう。俺と智くんの部屋からは花火が一望できる。
是非とも成功者にあやかりたいと、自他共に認めるお金好きの和は、ことあるごとにこの部屋に遊びに来ていて、
雅紀と潤は、近くに来れば必ず寄ってくれた。
だからここはいつも賑やかで、俺と智くんは退屈しなかった。
