
笑い、滴り、装い、眠る。
第9章 ずっとあなたが好きだった。
でも、やっぱ俺らとしては、二人の時間を大切にしたいワケで……。
智「花火、よかったね?」
「……うん。」
先程の余韻を確かめるみたいに、智くんの首筋に顔を埋めた。
智「どうしたの、翔ちゃん?」
少し照れたように笑いながら、智くんは俺の体を抱き寄せてくれた。
「なんか……幸せだなあ、って?」
智「……俺もだよ?」
智くんのことが好きだ、って気づいたあの日。
こんな日が来るなんて、想像もしなかった。
智「翔ちゃん、仕事、どう?」
「うん。毎日忙しくしてるよ?」
智「体、壊さないでね?翔ちゃん一人の体じゃないんだからさ?」
「ふふっ。何それ?俺、妊婦じゃないし?」
智「そんなん、知ってるよ?」
そう言って笑った智くん。
抱き寄せてくれる腕の力が強くなった気がした。
だからこそ不安なんだ……。
智くんがどう考えているのか。
「ねぇ、智くん。」
智「うん?」
「智くんは…後悔してない?」
智「何を?」
「その……俺と……一緒にいることを…」
