笑い、滴り、装い、眠る。
第11章 SUN SHINE
智「おお〜すげぇ!!丸々してて美味しそう。」
智くんはしゃがんで岩場に手を突っ込んで何かを採っていた。
智「ほら、翔くんの大好物♪」
智くんは両手にホタテ貝 に似た貝を顔の横で持ち笑った。
智「今夜はご馳走だね?」
智くんは嬉しそうに本日の釣果をクーラーボックスにしまいこんだ。
テントに戻ると早速火を起こす。
岩場からテントに戻ってくる道すがら寄り道をしていたら太陽はいい具合に傾いていて、
智くんは小さな火種を木くずに移しフウフウと息を吹きかけた。
智「何?」
薄暗い中、ランタンの灯りの元で鮮やかに魚を捌く智くんに見入っていると、突然手を止め顔を上げた。
「いや…いつ見てもスゴいなあ、って。」
智「……ありがと。」
少し照れたように笑いながらまた、目線を手元に落とし、作業を再開した。
智「今、煮付け作るね?」
適当にいれてんのか?ってぐらいてきぱきと味付けをしていく。
やっぱ、慣れてんなあ。
てか、器用なんだよなあ?智くんて。
智「もうちょっと待っててね?」
そう言って笑う顔に、今さら赤面してしまう、俺。
智「あ、ねぇ、貝焼けた?」
「あっ、ああ。食べる?」
智「うん♪」
熱い熱い言いながらも焼き立てを頬張る智くんを微笑ましく見ていた。