笑い、滴り、装い、眠る。
第11章 SUN SHINE
翔side
みんなにバレないように、
悟られないようにしてきたつもりだったのに、
あんなにも気持ちが駄々漏れていたと知って俺は、
余計に智くんのことがまともに見れなくなっていた。
だって、憧れの気持ちが実は、恋愛対象としての気持ちだったなんて、
気持ち悪すぎだろ?って。
でも、智くんとはナゼかやたらと目が合うようになっていて、
智くんも慌てて目を逸らすから、もしかしたら少しは意識してくれてんのかな?って思い込むようになっていった。
だからと言って、智くんが俺のことをすんなり受け入れるなんて思えなくて俺は二の足を踏んでいた。
そんなある日、俺にあり得ない奇跡が起こってしまったんだ。
智「俺のこと見てるよね?」
「え?いや…その……」
智「違うの?」
「ち…違わない…けど……。」
智「理由……聞いていい?」
「そっ…それは……」
智「……言えない理由なの?」
「ごめん…」
智「そっか…」
小さくため息をつき天を仰いだ。
智「じゃ、俺の勘違いか…。」
え?今……?
智「俺も半信半疑だったんだけど、ニノに鈍すぎる、って怒られてさ?」
「あの…『も』、ってことは…」
智「もしかして、そういうことなんかな?って思ったんだけど……」