テキストサイズ

笑い、滴り、装い、眠る。

第12章 Sweet,Sweet,Lollipops(S × O)



「「乾杯。」」



ベッドに腰掛け、琥珀色の液体が入ったシャンパングラスを合わせた。



智「21年かあ…」


「早いね?」



智くんはシャンパングラスに映った自分の顔をじっと睨んだ。



智「道理で……フケたはずだよ?」


「そんなこと、言うな、って?」



塞ぐようにしたキスは、シャンパンの味がして、



また、別の意味で酔いそうになった。



智「……っ、しょ…」


「智くんの誕生日に一緒にいてあげられなくてごめん。」



智くんの手から奪い取ったグラスをサイドテーブルに置き、バスローブを纏った体をベッドに横たえる。



智「あ……」


「ん?」


智「もうちょっと飲みたかったのに…」



そう拗ねてみせる貴方の唇に、自分の唇に含ませたシャンパンを口移しで飲ませた。



こくん、と、智くんの喉が小さく喉が鳴る。



「おいしい?」


智「ちょっとぬるい……」



不満そうに、でも、許す、と、キスのお返しをしてくれた。



智「やっぱ…甘いね?」


「うん。いいシャンパンだよね?」


智「そうじゃなくて…」


俺の体にしがみついてきた智くんが耳元で囁く。



智「キスの味が、だよ?」



ストーリーメニュー

TOPTOPへ