
笑い、滴り、装い、眠る。
第13章 俺にかまって!!(O×S)
「何が言いたいんだよ?」
和「……所詮、犬と人間じゃ違うんですよ?」
そんなこと…分かってるよ。
出会った場所が場所だしさ?
和「我々が人間にでも生まれ変わらない限りは一生報われないんですよ?」
「え?」
……って、まさか…?
和「あっ!!お、俺はそんなこと……思ったことないけど?」
「俺は何も言ってないけど?」
意味深な目線をカズに送った。
名前を呼ばれたカズの飼い主がカズを抱き上げ診察室に入っていく。
そして痛かったのかどうかは分からないが、予防接種を終え出てきたカズは涙目で俺を睨んできた。
「……お帰り。」
和「……お前と一緒にすんな。」
「……はいはい。」
そう言われましても、同じ犬だけどね?
そしてその日は医師から大人しくしているよう言い渡され、
暗くなってから迎えに来てくれた智くんと一緒に我が家へと帰った。
でも、何か違和感を感じて見回してから部屋の中をあちこち嗅ぎ回る。
智「ん?もしかして潤を探してるの?」
見上げる俺を智くんが抱き上げた。
智「今日はいないよ?お母さんの具合が悪いから、って実家に帰ってる。」
寂しい?智くん?
智くんの手をペロペロ舐めると、智くんは俺をぎゅっとしてくれた。
