
笑い、滴り、装い、眠る。
第13章 俺にかまって!!(O×S)
和「災難だったね?お宅のご主人?」
険しい表情で見つめる俺にカズの言葉はひどく心無いように思えて、俺はイラついたようにカズを見た。
一瞬、カズは怯えた顔をしたがすぐに謝ってきた。
和「言い方が悪かったなら謝るよ。」
「……うん。」
そんなことはいいんだけどさ。智くんが…
カズのご主人さまと笑いあっているように見えてその実、
ため息ばっかついてるから…。
すると、俺のそばでカズが吹き出した。
和「あ…すいません。つい……アナタを見てると何だか…」
「……何だよ?」
和「恋人のことを心配してるみたいに見えて…」
「わ…悪いかよっ!!」
大切な人なんだし。大好きだし。
何なら、気合いで人間に生まれ変わって、智くんの力になってあげたいし…。
しばらくして、また来るから、と、カズのご主人がカズを呼ぶ。
彼らを玄関まで見送る智くんの後を付いていって、
その、少し後ろに座った。
「クゥン…」
元気だしてよ?智くん。
俺が智くんのそばにいるよ、ずっと。
やっぱり、犬だから力になれないのかな?
目元を力一杯拭うと、智くんは笑顔で振り向き、俺を抱き上げ、言った。
智「……遊ぼっか?」
智くん、無理しなくてもいいよ?
俺は、智くんの丸い頬っぺたをペロッと舐めた。
少ししょっぱい味がした。
