笑い、滴り、装い、眠る。
第13章 俺にかまって!!(O×S)
数年後。
成長してすっかり大人の体になった俺の隣にはもう一匹いた。
名前は俺と同じ犬種で名前はタツヤ。
雅「多頭飼いするなら早い方がいいよ?」
とのお友だちのアドバイスを受け今に至る。
「……。」
タ「……。」
こいつ、ホントに俺と同じ犬種?
体は俺より小さいのに目力ハンパないんだけど…
でも、まだ仔犬のせいか足元も覚束なくて、時折コロンコロン転んでいた。
「大丈夫か?」
慌てて駆け寄るとソイツも慌てて立ち上がる。が、またしても後ろにコロンと転がってしまった。
「あんまり無理すんな?」
タ「う、うん。」
ソイツは泣きそうな顔で項垂れたまま俺の後ろに座った。
「元気だせ、って?誰だって昔はそうなんだし?」
タ「え?」
意外だ、という目で俺を見るタツヤ。
「当然だろ?俺にだってそういう時期はあったんだし?」
鼻先でコイツが起きあがる手助けをしてやる。
「あっという間にデカくなって、あっという間にできるようになるから。」
タ「うん!!」
あっという間に近づく距離。
俺らはあっという間に仲良くなった。