笑い、滴り、装い、眠る。
第14章 猫と俺とアナタと…
智「どうした?上がれよ?」
「え?あっ…し、失礼します。」
おずおずと、それなりに造りが立派な家の中へと足を踏み入れる。
智「コイツら、洗ってやんねぇとなあ。」
彼は着替えもせず、制服の上着を脱ぎ、ズボンの裾を捲り上げただけの姿でバスルームへと歩いていった。
「あっ!!あの…」
彼が、ひょっこりとバスルームから顔を覗かせた。
智「あ、そっか。突き当たりのドアがリビングだからそこで待っててくれ。」
言われた通り、突き当たりのドアを開け、大きなソファーに座った。
すると、さっき彼から貰ったチョコレートのことを思いだし、ポケットから取り出した。
封を開け、一粒口の中に含みながら部屋の中を見回した。
少し広い部屋の奥に鎮座する大きなテレビ。
そして、やはり大きなサイドボードにはお洒落な形の瓶に入った洋酒がずらりと並んでいた。
もしかしてあの人、相当お金持ちの……
とんでもない人に関わってしまったんじゃないか、と思い始めた時、
奥から俺のことを呼ぶ声が聞こえ、慌ててバスルームへと向かった。
智「悪いな?コイツらそこにあるタオルで拭いてやってくれ。」