笑い、滴り、装い、眠る。
第14章 猫と俺とアナタと…
バスタオルにくるまれた仔猫たちを抱えてリビングに戻る。
リビングに着くや、仔猫たちが暴れだしとうとう俺の手の中から逃げ出し、部屋中走り回る。
「もー、どこに隠れたんだよ?」
ぶつぶつ言いながらソファーの下を覗き込むと、二匹が息を潜めて蹲っていた。
「まったく……こんなところに潜り込んで…」
無理矢理引っ張り出そうにも仔猫たちはどんどん奥へ入り込んでいって手が届かない。
「頼むから出てきてくれよ…」
はあ、と、深く息を吐く俺の背後に気配を感じて振り向くと、彼が何やら袋の封を開けていた。
智「コイツで誘き出せ。」
「あ……うん。」
渡されたのは猫用のオヤツ。
まんまと猫たちを誘き出すことに成功し、ドライヤーで乾かしてやった。
すると、二匹はとても愛らしい顔をしていて、被毛もフワフワ。
「ふふっ。可愛い。」
遊び疲れて膝の上で丸くなっている一匹の体を撫でていると、もう一匹を撫でながら彼が話しかけてきた。
智「なあ?お前んとこ、なんで飼えないんだ?」