笑い、滴り、装い、眠る。
第14章 猫と俺とアナタと…
「親が…多分許してくれない…と、思う。」
智「何で?」
タオルで豪快にごしごしと髪を拭きながら聞かれた。
ああはいったものの、やっぱり仔猫たちを託す宛がないんじゃないか、と嘆息する。
智「俺んとこは俺のバアちゃんが猫が好きだから、別にコイツらまとめて引き取っても問題ないしさ?」
「そ……そうなんだ?」
智「猫アレルギーかなんかか?」
「そうじゃないけど……絶対世話なんかしなくなるでしょ?って…」
しょぼんとする俺を見てその人は笑いだした。
「な…何だよ?」
智「よくある話だなあ、と思って?まあ、俺んとこは家族みんな犬も猫もOKだけど。今回はバアちゃんに引き取ってもらおうと思って?」
彼は俺の膝の上でスヤスヤ眠る仔猫の頭を撫でた。
智「あ…そうだ、名前…。」
「えっ…と……櫻井…翔です。」
彼がキョトンした顔で俺のことを見た、と思ったら、またまた豪快に笑いだした。
智「ご……ごめん。言い方が悪かった。名前、ってのは…」
「ね…猫の…。」
俺、ってば…恥ずかしい…。
彼は徐に代わる代わる仔猫を抱き上げ、腹の辺りをじ、と見つめた。
「……何やってんの?」
智「決めた!こっちが『さとし』でコイツが『しょう』だ。」