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笑い、滴り、装い、眠る。

第14章 猫と俺とアナタと…



昼休み。



俺は3年生の教室に向かって歩いていた。



忘れもしない。



その日は5月になったばかりだと言うのに冬に逆戻りするんじゃないか、ってぐらい冷たい風が吹いていた。



恐る恐る3年の教室を覗き込む。



でも、智くんの姿はどこにも見当たらない。



いつまでもキョロキョロしている俺を訝った他の3年生に声をかけられる。



「あー、大野なら多分……。」



屋上?こんな寒い日に?



俺は屋上へ続く階段を登った。



初めはゆっくりとした足取りだったのが知らず知らず早足になっていて、



屋上へと通じる重い扉の前に辿り着いた時には殆ど息が上がっていた。



重い扉をゆっくりと開け、ちょっと猫背なその姿を探した。



すると…



いた…。



少し丸まった背中に無造作にコートを羽織って。



そっと近づくと、智くんの近くから弱々しい鳴き声が聞こえた。



さらに歩み寄り覗き込むと、雛が一羽、大きく口を開け智くんにご飯をねだっていた。



智「よしよし。よかったなあ。元気になって?」



智くんは雛に顔を近づけ目を細めた。



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