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笑い、滴り、装い、眠る。

第14章 猫と俺とアナタと…



そんな智くんの様子をしばらく見ていたら、智くんの方が俺の気配に気づいたらしく驚いた顔で振り向いた。



智「な…何で?」


「智くんのクラスメイトに教えてもらった。」



智くんの側に歩み寄り覗き込む。



でも、智くんは後ずさって俺から離れた。



何で?って顔で智くんを見るとちょっと真っ赤になって顔を逸らした。



「俺もこの子にエサあげていい?」


智「あっ…ああ。」



智くんから雛のために手作りしたらしいエサを手渡される。



ピヨピヨと鳴きながら大きく開いた口の中にエサを入れてやると雛は美味しそうにエサを食べた。



「食べた食べた♪」


智「ああ…そうだな?」



産毛で覆われた体をぱたつかせる雛に智くんは微笑んだ。



智「こいつ、巣の中から落っこちてたんだ。それをカラスに食われそうになってて…」



巣に戻そうにも、とてつもなく高いところにあるから戻せなくてさ?と、智くんは難しい顔をした。



「そっか…」


智「家に連れ帰っても良かったんだけど…。」


「ダメなの?」


智「うん…あのね?」



智くんは、その事情とやらを説明してくれた。



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