笑い、滴り、装い、眠る。
第15章 TO You・・・
智side
「ち、ちょっと翔くん!?」
嬉しさ半分、照れ隠し半分だったけど、
どっちか、って言ったら照れの方が大きくて反射的に翔ちゃんの体を引き剥がした。
翔ちゃんはくりくりの目をさらに大きき開いて俺を見た。
「あ…いや…だから……。」
やべ……怒らしちまったかな?
翔「ごめん。ビックリしたよね?」
「いや…そんなことより俺の方が…」
翔「キス……したこと?」
「……っ…!…それもそうだけど…」
翔ちゃんがゆっくり首を振る。
翔「……怒ってないから。」
「翔ちゃん…」
翔「ニノのことは気になるけど……」
「けど?」
テーブルに並ぶ色とりどりの料理に目を移す。
翔「智くんの手料理が食べたい。」
と言って笑った翔くんはつい見惚れてしまうぐらい可愛くて、
その笑顔ごと翔くんのことを食ってしまいたい、なんて思ったことはおくびににも出さず料理を美味しくいただく。
「はあ、食った食った♪」
翔「美味しかった。ご馳走さま。」