笑い、滴り、装い、眠る。
第15章 TO You・・・
どっ…どうしよ…
キスするのはもう慣れた、けど、
そこから先のこととなるとまだ俺にとっては未知の領域。
モテモテの智くんはどうか分かんないけど……。
などと色んなことに考えを巡らせてると智くんの唇が離れていって、変わりに智くんの指先が俺の唇をなぞった。
智「しかし、よく寝てんな?ま、よく食って飲んでたし。」
俺がぐっすり寝ていると思い込んでいる智くんは唇だけじゃなく、頬を撫でたり髪を撫でたりと色んなとこに触れてきた。
智「何か……未だに信じられないな。翔ちゃんが俺のこと好きだなんて…」
え?そうなの?
智「こんな風に見て触れるだけで幸せなのに……。」
「……。」
智「からかわれてんのかもかな?」
深いタメ息をつき、離れていく気配に俺はその手を掴んだ。
「全然からかってなんかない。」
智「えっ、翔くん、起きて…」
起き上がった俺が、ちょっと体勢を崩した智くんを見下ろすような感じになる。
「からかってなんかないよ?むしろ俺の方が…」
仰向けになった智くんの両腕をベッドに縫い付ける。
「俺の方が相手にされてない、って思ってたんだから。」