笑い、滴り、装い、眠る。
第15章 TO You・・・
「智くん…俺…」
智「翔ちゃん……」
どちらからともなくまた、
俺らは唇を重ねた。
互いの唇を啄むみたいな軽いものじゃなくて、
唇ごと食べられるんじゃないか、ってぐらい噛みつくみたいな感じで。
「あの…。」
智「うん。俺は別にここでもいいんだけど、翔ちゃんが……」
「いや…俺は別に……。」
智くんはゆっくり首を左右に振り、俺の手首を掴んだ。
智「駄目。ちゃんとしたとこに行こ?」
「ちゃんとしたとこ……って…」
吹き出す俺を見て、智くんがますます赤くなる。
智「だっ…だって!こ……こんなとこでヤったら…あっ…いや…その……」
「ごめんごめん。智くん見てたら何かイジワルしたくなっちゃって…」
しどろもどろになる智くん、可愛い。
智「何だよ…もう……」
真っ赤な顔のままふて腐れて唇を尖らせる。
智「でも…ホントにいいの?」
「それ…まだ聞くの?」
智「だって…後で無理矢理に……なんて言われたら…」
まったく…
智「おあっ!」
煮え切らない智くんの体を押し倒し、覆い被さった。
「ぐだぐだ言ってないで早くヤろ?」