笑い、滴り、装い、眠る。
第4章 愛していると囁いて。
智「もう!痕、付けたでしょ?」
唇を尖らせて、上目使いで睨むも、
唇を啄みながら、行為を急かすように俺のシャツの裾をたくしあげてゆく。
智「翔くん、早く。でないと夜が明けちゃう…」
俺のシャツを脱がせようとするあなたの手を止め、
自分でシャツを脱ぎ、床に投げ捨てた。
智「また、一段と逞しくなったんじゃない?」
眩しそうに俺の胸元に触れる指先。
「そういう智くんはちゃんと食べてる?」
智「あんまり…食べてないかも…。」
「倒れないでよ?」
最近、部屋に籠って絵を描いているらしい、という話を聞いていた。
同じく、Tシャツを脱いだ白い胸元は、程よく引き締まっている、というよりは、
骨ばった感じがして、本当に倒れやしないか心配になる。
智「そんな不安そうな顔しないでよ。いつものことじゃない?」
「だって…」
もしかしたら、今、この瞬間でさえ夢で、
目が覚めたらこの腕の中に、あなたがいないんじゃないか、って、
香りや温もりさえ残さず、
それこそ跡形もなく消えてなくなるんじゃないか、って、不安になるんだ。
智「翔くん…」
あなたは俺の不安を払拭しようと、背中に腕を回し、力強く抱きよせてくれた。
智「抱いてよ、早く。」
本当に…
早く、あなたを抱かないと、
消えてなくなりそうだ…。