笑い、滴り、装い、眠る。
第4章 愛していると囁いて。
その、消えてなくなりそうなほどに儚いあなたを確かめるように、
唇で順に確かめてゆく。
額…瞼…鼻…頬…耳。
…そして、唇。
そっと舌を絡ませると、鼻先をすっと抜けてゆくあなたの甘い体温に安堵する。
ゆっくり上下する、白い胸元に安堵する。
差し出した手に、そっと絡めてくれる指先に胸が熱くなる。
あなたがここにいるって。
あなたがここにいてくれる、って。
でも、一つだけ、
あえて一つだけ言うならば…
「好き、って言って…?」
智「翔くん…。」
「言ってよ…」
智「ごめん…。」
「お願い…」
智「あ…っ」
なかなか首を縦に振らないあなたの細胞を抉りとるようにナカを進みながら奥を貫く。
智「やっ…ああっ…あっ!!」
仰け反るあなたの顔は汗か涙か分からないものでぐしゃぐしゃで、
まるで赦しを乞う科人(とがびと)のようだった。
智「し…しょ……く…ん」
俺の二の腕を掴む指先が皮膚を抉る。
智「はっ……あっ…ああっ…翔…くんっ…しょ…」
うわ言のように俺の名を呼び続けるあなたを、
力一杯、抱きしめた。