笑い、滴り、装い、眠る。
第17章 a cute boy
まーくんの後ろに乗せてもらい帰宅すると、部屋の灯りがついていた。
ヘルメットを外して見上げたまーくんもそれに気づいて、僕らで考えた設定に乗っかってくれた。
雅「部屋まで一緒に行こうか?」
翔くんがどんな反応をするのか、少し怖かったが、
ついてきてもらうことにした。
翔「お、お帰り…って、雅紀と一緒だったの?」
雅「うん。翔ちゃん、久しぶりだね♪」
「ただいまぁ♪あー美味しかったぁ♪」
ねー?と、まーくんと顔を見合わせた。
翔「二人してどこ行ってたの?」
「まーくんとお茶してきたの。」
ねー?と、いちいちアイコンタクトをとる。
翔「へ、へぇ…」
翔くんは怪訝そうに僕らを見比べた。
「あ、夕ごはんまだだよね?簡単なやつでよかったら作るから?」
まーくんはまたね?って、手をぶんぶん振りながら帰っていった。
翔「……。」
キッチンに立っている間中、翔くんの刺すような視線を感じた。
効果覿面?……なのかな?
表向きはパソコンで仕事しているようでいて実は、
翔くんは僕の姿をずっと目で追っているようだった。
……正直、ちょっと怖かったけど。