笑い、滴り、装い、眠る。
第17章 a cute boy
僕が先にお風呂に入っている間も翔くんはずっとパソコンの前に座っていて、
僕がバスルームから出てくると翔くんはそそくさとバスルームに消えた。
もしかして、怒ってる?
ご飯食べてるときも全然喋らなかったし。
か、仕事が忙しすぎて構ってられないとか?か……
「……。」
こんなこと考えたくないけど、僕に興味がなくなってて、いつ別れようか考えてるとか…
だから、僕の誕生日だ、って知ってて仕事入れたのかな?
……なんて、悪いことばかりが頭の中をぐるぐる回った。
こういう時はさっさと寝るに限る。
髪を渇かし、早々にベッドに潜り込んだ。
でも、眠れるはずもなくバスルームから出てきた翔くんが何事かを呟いたあとソファーに座る音に聞き耳を立てていた。
が、また、大きな声で何事かを言うとヒタヒタと寝室に向かって歩いてきた。
静かに、寝室のドアを開ける気配。
また慌ててベッドに潜り込む。
その気配は僕の側でピタリと止まり、フーッ、と大きく息を吐き、ポツリ呟いた。
ほったらかしにしてた罰かもな?って。
翔くんは僕の頭をくしゃくしゃすると部屋を出ていった。