笑い、滴り、装い、眠る。
第17章 a cute boy
翔「あのケーキ、美味しかったね?」
「そうだね?」
僕の横で余り物をつつきながら飲んでいる翔くんに笑いかけた。
翔「クリスマスに食べてもいいけど……その日はレストランを予約しちゃったからなあ。」
って、翔くんは残念そうだったけど、僕はそっちの方が楽しみ♪
「あ、今日は早かったんだね?」
翔「うん。アイツらの顔が見たかったから早めに切り上げてきたんだ。」
「二人ともさっさと帰っちゃったけどね?」
翔「なーんて…ホントは智くんの誕生日だし、ちょっと頑張って仕事片付けてきたんだ。」
「そう……なの?」
翔「あと…これも渡したくて…」
翔くんは不自然に隠し持っていた箱を僕の目の前に置いた。
翔「開けてみて?」
「う、うん。」
包装紙を丁寧に剥がし蓋を開けるとそこには、真っ黒の革靴が入っていた。
翔「服にしようか、とも思ったんだけど、ものがいいヤツだし、一つ持っててもいいのかな?と思って?」
「……ありがと。大事にするね?」
履いてみると誂えたみたいにピッタリで、
嬉しくて枕元に置きっぱにしてたら翔くんが苦笑いしてた。