
笑い、滴り、装い、眠る。
第19章 brothers
翔「ごめん、智くん、待った?」
「ぜ、全然!」
行こっか?と、ニコニコしながら俺の手に指を絡めてきた。
「あっ…あのさ…」
翔「何?」
目の前の可愛い笑顔にデレデレになる。
「え……映画のあとは俺んち来ない?」
翔「え?い…いいの?」
翔くんの頬がほんのり赤くなる。
かっ…可愛い…。
「いっ…いいも悪いも、翔くんなら大歓迎だよ?」
翔「じゃあ…お言葉に甘えてお邪魔しちゃおっかな?」
「うんうん。来ちゃって?」
何とか翔くんを自宅に誘うことには成功したが、
実はこれには裏があって…
「やだよ!何でお前に紹介しなきゃなんないんだよ?」
雅「いいじゃん?俺がにーちゃんに相応しいかどうか見てやる、って?」
「ふざけんなよ!?お前にそんな権限…」
雅「いーの?父さんと母さんにバラしちゃって?」
「なっ…そ、そういうお前だって男にホレてるとか言ってんじゃん?」
雅「にーちゃんと違って付き合ってないし?」
どう違うんだよ?
雅「俺が自慢の中華料理作ってやるよ?」
それは全然いいんだけど、さ。
「お、美味しいメシもご馳走するし?」
翔「ほんと?楽しみ♪」
翔くん、ごめん……。
まさか、雅紀に脅されてうちに連れて来なきゃならなくなったなんて?
