
笑い、滴り、装い、眠る。
第19章 brothers
翔「それでもありがと。俺のセンスじゃこんなオシャレな服、思いつかないから?」
と、笑いながら今着てる服をまじまじと眺めていた。
じ、じゃあ、この服は……雅紀が…?
雅「よく似合ってるよ?ねぇ、にーちゃん?」
「あ、ああ……うん。」
翔「ホント?」
照れ笑いを浮かべて俯く翔くん。
やっぱり、この上なく可愛い……
じゃ、なくて、このオシャレな服を雅紀が選んだ、だとぅ?
翔「潤のセンスを疑ったワケじゃないけど、アイツの服はどれも奇抜すぎてちょっと……」
雅「そこは個性的、って言っといた方がいいよ?」
翔「だね?潤に怒られちゃう。」
「……。」
何か……俺だけ蚊帳の外?……な感じ。
そんな俺の空気を察したかどうかは知らないが、雅紀が俺らに早く中に入るよう促す。
翔「スゴい!これ、全部雅紀くんが作ったの?」
雅「ちょっと母ちゃんに手伝ってもらったけど?」
嘘つけ。ちょっとじゃねぇだろ?
……に、してもどれもうまそう。
翔くんも、リスみたいに頬をぱんぱんに膨らませてニコニコしている。
俺らのもてなしに満足してくれた翔くんは、
俺と雅紀を自宅に招待してくれた。
