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笑い、滴り、装い、眠る。

第4章 愛していると囁いて。



また、俯き指先を見つめるあなた。



突然、顔を上げるも、



俺が見ていることに気づいているのか、



こちらを見ようとしなかった。





やがて、番組スタッフが前室にやって来て、



それぞれ飲みかけのものを一気に飲み干し、ぞろぞろと前室を出て行く。



雅紀と松潤は何の話をしていたのか、



そのまま二人連れ立って前室を出ていった。



ニノも、その後を追うように続き、



俺も立ち上がる。



すると、ようやっとあの人が立ち上がる姿が辛うじて俺の視界に入った、



と、思ったら、



背中に微かな重みを感じ、思わず立ち止まる。



智「翔…くん。」



俺の体を背中から抱きしめるあなたの細くて綺麗な指先。



智「一度しか言わないからちゃんと聞いてて?」



前を向いたまま、前室の扉をそっと閉めた。



智「好き…」



え………



智「翔くんのこと、ずっと好きだった。」


「智…くん。」


智「でも、もう……」


「いや…だ…」


智「だって、好き、って言ったら…」


「いやだ!!」



俺の体の前に組まれたあなたの手を、





震えながら握りしめた。



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