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笑い、滴り、装い、眠る。

第19章 brothers



翔「智くん……目、瞑って?」



言われるまま目を閉じると、迷いなく重ねられる唇。



さっき、俺が翔くんにしようとしてなかなか出来なかったキスを、



翔くんはなんなくやってみせた。



何だ、そんな簡単で良かったのか、と思ったけど、




翔くんの唇が、微かに震えているのが分かった。



翔「智くんがなかなかしてくれないから…」



ちょっと涙目になりながら唇を噛みしめる翔くんを……



「ごめん……。」



……抱きしめた。



俺は自分の不甲斐なさを、誰かのせいにして言い訳ばっかしてた。



翔「好き……」


「俺も…好き。」


翔「ん………っ。」



翔くんのアゴを持ち上げキスをした。



閉じられた瞼が、鼻から抜けてゆく吐息で小さく動くのを見る余裕さえあることに驚く。



「翔…」



それからは、頭の中が真っ白になって、



どうしてそうなったのか記憶になくて、



後でその話題になると、いっつも翔くんに怒られていた。



翔「折角の初体験なのに…」



……って。



「べ、別にいいだろ!!あん時、翔くんの×××が……だった、とか、語られたくないだろが?」


翔「ばっ…ばかっ!!そんなどうでもいいこと詳しく覚えてなくてもいいから?」


「俺は全部覚えていたい。」



どや顔で言うと、翔くんに後ろから殴られた。



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