テキストサイズ

笑い、滴り、装い、眠る。

第20章 brothers〜バレンタイン編



「へぇ…て、手作り…かあ…。」


雅「でも、潤、って料理上手じゃん?」



無謀かなあ?って、雅紀くんは顔をしかめた。



「そんなことないよ?アイツ、料理は出来るけど、お菓子はそうでもないよ?」


雅「そうなの?」


「まあ……包丁使えない俺よりはましだけどさ?」


雅「ちなみに翔くんは?」


「実は……まだ迷ってて……チョコ以外もありかな?って思ってるけど?」


雅「手編みのセーターとか?」


「いや…さすがにそれは引くんじゃない?」


雅「そんなことないでしょ?にーちゃんなら、翔くんから何もらっても喜ぶんじゃない?」


「そうかなあ…」



雅紀くんが手土産に、って、持ってきてくれたチョコを一つ摘まむ。



「あ、これ、うまい。」


雅「でしょ?とーちゃんとかーちゃんのヨーロッパ旅行土産なの。」


「へー…」


雅「もともとにーちゃんにあげよう、って持ってきたから食べてよ?」


「ありがと。」



雅紀くんは頑張って手作りしてみるよ、と、笑顔で帰っていった。



それからは、何となくチョコにハマってしまってちまちま摘まんでいるといつの間に眠ってしまったらしく、



目が覚めた時の俺は寝室にいた。



しかも…



「え…な、何で?」



ベッドで寝ていた俺の隣には、



裸でスヤスヤ寝ている智くんがいた。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ