笑い、滴り、装い、眠る。
第20章 brothers〜バレンタイン編
さらには……
頭……痛い。
薬を飲もうとベッドから抜け出すと何やら違和感が。
寒い…って……え?
そう。俺も裸だったのだ。
……てことは、俺……
智くんとヤってた?
痛みで回らない頭であれこれ考えていると、智くんがこちらを見ていた。
智「どうした、翔くん?トイレ?」
「あ……あの…智くん?」
な、何で?何で記憶にない?
智「何?腰痛くて歩けないの?」
おぶってやるよ?と智くんは体を起こした。
「そうじゃなくて!俺らもしかして…」
智「え?覚えてないの?あんなあからさまに誘ってきてたのに?」
「誘った?俺が?」
智「うん。だって、急に翔くんがポッキーゲームしよう?って、口にこーんなちっちゃいチョコくわえてさ?」
「う…ウソ?」
智「で、翔くんに何回もチューされて押し倒されて…。」
「ごめん…覚えてない。」
智「もしかしてこのチョコ、とーちゃんたちのお土産?」
おそるおそる頷く俺を見て智くんはなるほど、と呟いた。
智「あのチョコは…」
「……ウイスキーボンボン……?」
チョコにはお酒が入っていた。