笑い、滴り、装い、眠る。
第4章 愛していると囁いて。
多分、
この気持ちに気付いたことが、早かったとか遅かったとかじゃないんだ。
俺たちは、
好きになったらいけなかった。
智「だから…もう…。」
もう…終わりにする、って言うの?
こんな終わり方をするんだったら、
…どうして出会ったのかな?
「うっ……。」
膝から下の力が抜けて、
崩れ落ちるように床に手を付いた。
智「大丈夫?」
膝を付き、項垂れる俺の体を優しく抱きしめてくれる。
大丈夫なわけないでしょ?
心配するぐらいなら、
さっきの言葉、取り消してくれよ…。
ドアをノックする音が聞こえて、
外からニノの心配そうな声が聞こえてきた。
和「どうしたの?大丈夫?」
智「うん。何でもない。すぐ行くから。」
ぼんやり前を見つめている俺を立ち上がらせると、
俺の体を支えるように、前室のドアを開け歩き出す。
そう、ここからは、
今からは、
俺とあなたは週に一回忍び会う仲じゃない。
ましてや恋人同士でもない。
『嵐』っていう、別枠の中で家族とは違う濃密な時間を過ごしてきた、
大切な仲間の一人に戻るんだ…。