笑い、滴り、装い、眠る。
第4章 愛していると囁いて。
和也side
「大野さん。」
智「ん?」
「ちゃんと…話せました?」
智「まあ…」
言葉を濁す大野さん。
無理もない。
大野さんを挟んだ向こう側に、放心したように抱えられて歩く翔さんの姿が見えた。
「ホントによかったの?それで?」
智「うん……。」
ちら、と隣の翔さんを見る大野さん。
まだ、
自分の出した結論に迷ってる風にも見えた。
大野さんと翔さん。
二人の不毛な関係にいち早く気づいた俺は、
こっそり大野さんを呼び出し、大野さんと話をした。
大野さんは、
翔さんのことが好き過ぎる相葉さんや、
自分と恋人関係でありながら、尊敬し、慕ってくれるJのことを悲しませたくない、との思いから、
長年続いた翔さんとの関係を断ち切ることを選んだ。
「翔さん…納得したの?」
智「さあ…?でも、納得してもらわないと…。」
「さあ、って!?差し出がましいようですが、お二人がくっつく、っていう選択肢は…」
智「ニノ!!言わないで!!」
「…すいません。」
気のせいかな?
一瞬、大野さんの顔が、
何かを堪えるみたいに歪んで見えた。