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笑い、滴り、装い、眠る。

第21章 ホワイトデー狂想曲



「……なあ」


潤「何?」


「お前、去年は何をやったんだ?」


潤「ケーキ。雅紀、甘いもん好きだから。」


「ふーん……」


潤「そういう智さんは?アニキに何あげたの?」


「二人でメシ、食いに行った。」


潤「メシかあ…今年はそれでいっかあ……」



スマホを取り出し何やら調べ始めた。



かと、思ったら、



潤が顔をあげてこちらを見た。



コイツ、顔が濃いなあ。



ホントに翔くんと血、繋がってんのかな?



なんて考えてたら、この男、



とんでもないことを言い出した。



潤「いいこと思い付いたんだけど。」


「いいこと?」


潤「俺ら四人で旅行とかどう?」


「旅行……か……。」


潤「そうそう!お泊まり旅行とか、どう?」


「……。」



……名案だ。



名案だとは思うけど…



「……ちょっと考えさせてくれ。」


潤「何で?」


「何で?じゃねぇ。お前、上手いこと言って、俺らからたかる気だろ?」


潤「えーっとぉ…」




コイツ…💢



潤「で、でも、智さんも行ったことないでしょ?アニキとお泊まり旅行。」


「そうだけど…」



だってまだ学生だし。あんま贅沢しても…。



潤「何なら、俺の親にお金貸してくれ、って頼んでみようか?」


「お前、それじゃあお返しにならないだろ?」


潤「それもそうか…」



とはいったものの……



ダメもとでとーちゃんたちに頼んでみっかな?



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