笑い、滴り、装い、眠る。
第21章 ホワイトデー狂想曲
翔くんも潤もいないある日の晩飯時のことだった。
雅「ねー、にーちゃん?」
「何だ?」
雅「翔くんへのお返し、決めた?」
「あー、何となく?」
雅「何それ?」
「だってまだはっきり決めた訳じゃないから?……何で?」
雅「いや…別に……」
雅紀はもそもそと口を動かした。
そう言えばコイツ、何か元気ないな?
「潤と何かあったのか?」
雅「う…ん…最近、忙しい、って会ってくれなくて?」
「そうか…」
雅「にーちゃん、何か知らない?」
「さ、さあ…俺は何も……」
雅「……だよね?潤とにーちゃん、合わないもんね?似た者同士なのに?」
「どーゆー意味だよ?」
そうこうしているうちに俺も出かけなきゃいけない時間だ。
雅「どっか行くの?」
「うん?ちょっと……。」
雅「気をつけて…」
「あ、ああ。」
実は夜間のアルバイトを始めた。
とーちゃんたちから金を借りることはできたが貰った訳じゃないから当然、返さなきゃいけない。
だから、翔くんとの時間は減るけど、
翔くんとゆっくり出来る時間がとれるから、ってことで頑張れる気がした。