笑い、滴り、装い、眠る。
第21章 ホワイトデー狂想曲
潤「ね、智さん、ここ、どう?」
「ん?」
翔くんと雅紀が出かけた隙を見計らって潤が話かけてきた。
そして、かき集めてきたパンフレットの一つを俺の目の前に置いたのだった。
潤「露天風呂付きの離れの部屋、だって。」
「個室についてんのか?」
潤「うん。ちょっと高いけど、四人で一部屋だったらイケるでしょ?」
「は?」
潤「だから、四人で一部屋。」
「……ダメだ。」
潤「何で?」
「何で?ってお前…そんなんで翔くんが納得するわけ…」
潤「でも、寝室だけで二部屋あるみたいだよ?」
「えっ!?」
パンフレットを見直す。
潤「メゾネットタイプで、一階と二階に別れてんだよ?」
「……なるほど。」
でかした、潤!
潤「そうと決まったら押さえとくね?」
潤はスマホを弄り始めた。
おんなじ屋根の下、ってのが引っかかるけど、
二部屋あるんだったらいいか?
後日、翔くんにお泊まり旅行に行く旨伝えるとすごく喜んでくれた。
雅紀も「楽しみ♪」って、クリスマスや正月を指折り数える子どもみたいにはしゃいでいた。