笑い、滴り、装い、眠る。
第21章 ホワイトデー狂想曲
翔「ちょっと山の方になるんだ?」
翔くんは旅館からの送迎車の窓からの景色を見て言った。
「いい景色でしょ?」
翔「うん。……でも、海の側じゃなくて大丈夫だったの?釣り、したかったでしょ?」
「いーの!そんなこと?」
翔くんとお泊まりできるんだから♪
雅「もー、潤てばやーらしいんだからっ♪」
……二人っきりだったらもっとよかったけど…。
宿の送迎バスは車1台がやっと通れる道を何度もハンドルを切り返しようやく離れの部屋に到着した。
部屋に入ってからチェックインの手続きを済ませ、寝室をどこにするかの話をした。
潤「俺ら上でもいいよ?」
なあ?と、弟たちはさっそくベタベタしていた。
「そ、そうか?」
……よかった。
翔「じ、じゃあ、部屋に行こっか、智くん?」
正直、上の部屋だと、
アノ時の音が、下の部屋に聞こえたらイヤだったので助かった。
雅「あ!でも、下の部屋に音が聞こえたりしたら…」
潤「いーじゃん、別に。聞かせてやれば。」
雅「そんな、恥ずかし……」
潤「じゃあ、メシの時間までまだだいぶあるから風呂でも入る?」
雅「それもそうだね?」
潤「せっかくだから、本館の広い露天風呂に行かない?」
雅「うん!行く行く♪」
潤は俺らに向かって目配せした。
潤、お前、気が利くなあ。