笑い、滴り、装い、眠る。
第4章 愛していると囁いて。
智「ねぇ…ニノ。」
「はい?」
智「もし…もしさ、僕と翔くんが付き合う、ってなったら、どうなるのかな?」
「どう…って?」
智「『嵐』はどうなっちゃうのかな?」
二十年近く続いてきた、
家族、とは違う、
俺たちにとっても、濃密な時間を共に過ごしてきた別枠の関係。
大野さんの、問いかけの中には、
その、関係を壊したくない、という思いが伝わってくる。
「壊れる、って思ってんの?」
大野さんは俯き、唇を噛みしめた。
「だとしたら、やわい十八年間過ごしてきたんですね?俺ら。」
智「ニノ?」
変わりますよ?と、
翔さんを挟んで、大野さんとは反対側に回り込んで、翔さんの肩を担いだ。
「あなた、言ってたじゃない?『嵐』は、家族とは違う別の枠組みだ、って?翔さんだって、俺らの関係も単なる仕事仲間じゃない、って言ってたじゃない?」
ふと、翔さんの顔を覗き込むと、目に生気が戻ってきていた。
「でも、頑固だからもう覆さないんでしょ?」
智「うん…。」
翔「俺も…」
「おや、目、覚めました?」
翔「寝てねぇし…」
ぶっきらぼうに呟くと、
翔さんは俺の腕をほどいた。