笑い、滴り、装い、眠る。
第4章 愛していると囁いて。
智side
翔「もう、思い残すことなんてないから。」
和「どうしたんすか?急に?」
翔「だって、智くんの口から聞きたかった言葉、言わせたんだし。」
強がってる、って思った。
僕から終わりを切り出されて平気なはずないのに…。
「ウソだ、って言ったら…」
翔くんのこと、好き、って気持ちは本当。
でも、もし…。
「別れたいがためのウソだ、って言ったら?」
君は…どう思うのかな?
俺、先、行ってますね?と、
空気を察したニノが走り去っていく。
翔「何?じゃあ、俺で遊んでた、ってこと?」
「何とでも…。」
翔「見かけによらずやるね?智くんも。」
「僕だって、たまには息抜きしたいから。」
次から次へと自分の口をついて出てくる虚言に、我ながら感心してしまう。
翔「俺はいつだってマジだったよ?」
「翔くん?」
翔「例え、智くんに遊ばれていたとしてもね?」
翔くんは、
人がいないことを確認してから僕の体を抱きしめてきた。
翔「…愛してる。」
「しょ…くん?」
翔「智くんがどう思っていようが俺はあなたことを愛してる。」
「………。」
そう言って、抱きしめてくれた君の体を抱きしめたかったけどそうは出来なくて、
「ありがと。」
ただ、その、広い胸に身を委ねることしか出来なかった。