笑い、滴り、装い、眠る。
第24章 俺のご主人さま
智side
「ち、ち、ちょっ…翔くん⁉」
いきなり俺に覆いかぶさってきた翔くんに待ったをかけた。
唇を尖らせ、ちょっと不満そう。
そんな顔も可愛いくてついニヤけてしまう俺。
翔「…何?」
「ここじゃ気分が乗らないから寝室行こ?」
翔「…別にここでもいいじゃん?誰もいないんだし?」
「でも、万が一、ってこともあるから?」
翔「…分かった。」
何かブツブツ言ってたけど何とか寝室に移動した。
翔「ん……智…くん…っ…」
赤くてぷっくりした唇から漏れ聞こえる声。
翔くんが俺のものだ、って知らしめるために色んなやつに聞かせてやりたい思う反面、
翔くんが一番エロくて可愛い瞬間を独り占めしたいがために誰にも聞かせたくない、って真逆の感情が入り混じって、平静でいられなくなる。
なのに、俺のいないところでメイド服を着て「お帰りなさいませ、ご主人さま♡」、って、
俺以外のヤツに言うなんて有り得ないだろ?
翔「さ…智……っ…も…もっ…と…っ…!」
この時、俺の中の何かが俺のことを突き動かす。
絶頂にいきかけた時、俺は翔くんのナカから自身を抜き取った。
翔「智くん?」
この時の俺はどんな顔をしてたんだろう?
不思議そうに、不安そうに見つめる大きな目が揺れた。
「ね、翔くん?……イきたい?」
翔「……うん。」
「じゃあ、いっこお願いしていい?」
翔「な…何?」
「あの服着て?メイド服。」
翔「えっ?あ、あれは…その…」
「イヤだ、とは言わせない。」
翔「で、でも…」
そりゃそうだろ?
あんな可愛い翔くんを独り占めできないなんて、
俺は翔くんの何なんだ?って話だろ?
翔くんは少し考えるように視線を外し「ちょっと待ってて?」と俺の下から抜け出した。