last summer.
第2章 幸せ
放課後になると決まって私は中庭のベンチに座っていた。
ここからはサッカー部の練習がよく見える。
先輩の姿を眺めていると、あっという間に時間が過ぎていって、全然苦痛にはならなかった。
「片岡先輩っ。お疲れさまです!」
「おう。ごめんな?毎日待たせてさ」
「そんなの気にしないでください!私が勝手にしてることですから」
「なぁ敬語やめろよ。あと片岡先輩じゃなくて、勇人ね?」
「う、うんわかった」
片岡先輩…じゃなくて、勇人と付き合ってからあっという間に一週間が過ぎた。
私はなかなか慣れなくて、ため口で話すのも勇人って呼ぶのもまだちょっと恥ずかしい。