貴女は私のお人形
第6章 もし、二人、似ているなら
「あん、は……あぁっ」
はしたなく露出した乳輪を純の指の腹が遊ぶ。耳朶より柔らかなはずのサーモンピンクは、甘い電流を広げながらさざ波のようにそばだって、こりこりとした突起を生んで硬さを帯びる。乙愛の喉を泣きそうな声が逃げる。もう一方の胸は、おそらく唇──…吸いついては舌先で撫でて、撫でては吸いついてを繰り返しながら、純は乙愛に呼び水をかける。
純は乙愛の胸と胸の渓谷やその麓を愛撫に包むと、腰の線をなぞっていった。その手は乙愛の下半身に至る。
劣情と理性、表裏一体の葛藤が、乙愛に脚を閉じさせる。
「乙愛」
じかに太股を撫でる純の甘い声が、耳許に触れた。
乙愛の大好きな、天使の声だ。
「純様……」
「貴女を、頂戴」
「あの、……」
「心の準備なら、いらないから」
もちろんだ。乙愛が純を拒む理由などない。だのに根拠もなくたゆたっていると、下着越しに指が触れた。薄布の中で、ひくひくと怯える食虫花が微かな刺戟に歓喜する。
「あっ、純様……あんっ」
「乙愛のここ……とっても濡れてる」
「や、あ、純様……っ」
「欲情してるでしょ」
乙愛自身でさえ触れない場所を触れながら、純が悪戯っぽく笑う。割れ目にこすれる下着がしとりを増してゆく。純の指が動く度、そこだけが、まるでもっとと欲しているようである。
「可愛い……乙愛。貴女は、身体まで素直」
「だって……純様が、好きだから……っ」
純は相変わらず乙愛の乳房を撫でさすりながら、下着に指を差し入れた。
腰から下方にかけて波打つ劣情は、図星だ。乙愛の秘めやかな場所にはしたないよだれを這わせている。
「好きなだけ?」
割れ目をぬるぬると往来しながら、その指は、頂のぽつりとした一点に粘液を塗る。
「はぅ……あっ……あぁんっ」
首筋に、純の唇が触れた。
「乙愛が思ってる以上に……私、重いんだ」
「っ……そうなんですの?」
「嫉妬もするし、束縛もする。貴女のものにしてくれなくちゃ、きっと死にたくなる」
冠水した頂が指と指の腹に挟まれて、悲鳴を上げた。つまみ上げたまま陰核をさする拷問に、乙愛の喉も叫びたがる。