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貴女は私のお人形

第4章 それでも、どんな真実があったとしても、


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 『Saint Melody』の参考商品や希少アイテムの獲得チャンスの賭かった豪華賞品争奪戦ビンゴ大会が、始まった。そしてこのあと、『乙女の悩み相談室』が予定されている。

 『乙女の避暑』の参加費用を振り込んだ際、用紙の備考欄に記入すべき項目に、「神無月純に相談したい貴女の悩み事」というのがあった。条件は、公の場で読まれても差し支えない内容であることだった。けだし今日の下準備だったのだ。


 あれから乙愛とすずめがパンケーキを平らげていると、相も変わらず全身黒でまとめたゴシックロリィタ、ノゾミが見えた。続いて里沙とあずなも到着して、乙愛とすずめは席を立つ必要もなく、一同、その場でイベントを待ったのだった。

  
 今日は、純と澄花が連れ立っていた。昨日まで時間をずらせていたのに、珍しい。


 純の抱えていた紙袋から、真っ白な上下セットが現れた。
 ブラウスには半透明のフリルレースがふんだんに使ってあって、裾がアシンメトリーになっている。ボレロに見える装飾は、取り外しが効くらしい。スカートは、ニュアンス違いの白薔薇が、あちこちらに散りばめてある。リボン刺繍で茨が表現してあった。内蔵パニエが、一枚でそのシルエットを豪奢に仕上げる。

 それからも、ビンゴの賞品と思しきものは、次々と長テーブルに並んでいった。一昨日、昨日と純の差していたのと同じフリルのパラソルや、彼女が頻繁に賞品化しているアルパカのマスコットのぬいぐるみ。どれもが乙愛の目を眩ませる。


 澄花の持ち前の司会力は、滞りなく豪華賞品争奪ビンゴ大会の幕開けを飾った。

 幸先の良い出だしを切ったあずなは、ここ十回ほどルーレットが回る間、一度もカードの数字を空けていない。対して最もリーチの遅れたすずめが一番にゲームを上がったり、くじ運の類は持ち合わせないはずの乙愛が二位に続いたり、今、誰もが予想のつかない争奪戦がいやが上にも緊迫感を強めている。

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