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タバコの火がもう一度

第2章 タバコの火が消えた日

大会が終わり秋になった。
学園祭が始まり、部活での出し物で学内はとても賑わっていた。

「ぽんたー!いまから先生のとこに差し入れもっていくけど、一緒にいってくれへんー?」

「いいですよー!なつみさんと2人でいけるとかマジ嬉しいです!😜」



あなたの誘いが嬉しくて、どんなに小さなことでも喜んでしまう自分がいた。差し入れをもっていく途中、1人の先輩が話しかけてきた。

「あー!なつこほんまぽんたのことお気に入りやなー!彼氏に怒られるでー!」

「‥わたし彼氏できてん!いいやろー😜」

聞きたくなかった。このまま差し入れ持って行ってふつーに学園祭を楽しみたかった。短い片思いだったなー。。。あっけなく終わった恋にふんぎりをつけようとあなたのことを応援した。

「よかったですね!!僕も早く彼女ほしいなー。」

「ぽんたやったらすぐできるよ!絶対!!」




その時は諦めたはずだった。気持ちに蓋をするのなんか簡単だと思っていたから。そんな長い片思いでもなかったし、ただの一目惚れだったし。


「ぽんたはさ、、、いや、なんでもない!」

何を言いたかったのか、この先を聞いていたらもっと一緒にいられたのに。今は後悔でいっぱいだ。


この学園祭を機に、僕はあなたへの気持ちに蓋をした。ただの片思い。まだまだ学生生活は続くんだから。その時はそう思えた。




ライターを忘れた。
タバコを吸うこともできず、とぼとぼ家に帰り少しだけ泣いた。少しだけ。


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