
好きって言わない!
第9章 水と油と翔と潤と猫。
“今から急いで帰るねー!!”
まーくんから連絡が来たのは、17:30を少しまわった頃だった。
翔との街合わせには十分間に合いそうだ。
良かった、と一安心しつつ少し残念にも思う。
ホントだったら、このまま俺の家かまーくんの家に行って2人でノンビリ出来たハズなのに・・・
こないだのまーくんとのキス。
あまり考えないようにしてた。
だって、考えだしたら体が熱くてふわふわしてくるんだ。
あの時、おばさんが入ってこなかったらどうなってたんだろう・・・
正直パニックになりかけてて、自分がどうなっていたか良く覚えてない。
もっとキスしたいって気持ちと、もうヤダって気持ちがごちゃ混ぜだった気がする。
まーくんは、どう思ってるんだろう・・・
A「にのちゃーん?」
N「うわぁっ!!」
いつの間にか真後ろにいたまーくんに、心臓が止まりそうになるくらい驚いた。
N「黙って入ってくんなよ!!」
A「インターホン鳴らしたよ!
全然出ねぇんだもん、開いてたから入ってきたの!」
すっかり私服に着替えて来てるまーくん。
やばい、まーくんとのキスの事で頭いっぱいで、インターホンの音すら聞こえなかったのか・・・
N「重症だな・・・」
A「え、また体調悪いの?」
N「違う。」
お前の事が好きなんだよバーカ。
心の中で文句を言って、さっさと翔との待ち合わせに出掛けようとドアに手をかけた。
